「ハチの巣ができたから、壊してほしい」

母から頼まれました。

兄は、木刀にて一撃のうちに薙ぎ払った。

兄は剣道を習っている。

兄だからできる芸当だ。

それを母は期待していたのだろうか・・・。

でもそんなこと、僕にはできないよ。

だから、「ええ・・・」とか言ってサラリとかわしたつもりだったのに

「ハチの巣を見るだけでいいから」って言われて

連れて行かれた。

「ああ、あれね。」

テラスの屋根の下に、それはあった。


見たからにはやらなきゃいけない。

スマートな技など持ち合わせていない僕は

バケツに水を汲んできて、

下から上に思いっきり水をかけた。

屋根の裏側に当たって跳ね返ってきた水が

頭の上からザブン。

ベタベタに濡れながらもとりあえず

目的のものは駆除できた。

しかし、自分の選択した方法が

これほどスマートじゃなかったなんて

頭から水をかぶるまで分からなかった僕。

はははっ・・・。

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