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実は、Qきちさんの「騎馬戦」が大正解☆
Qきちさん、おめでとうございますっ！！
（意外性がなくて、すみませんm(_  _)m）

ところで、今年の騎馬戦、
なぜ45分もかかったのでしょうか？

昨年の騎馬戦と比べてみましょう。

≪競技形式≫
　昨年＞１回戦目
　　　　　大将を含めた、全ての騎馬が一堂に会して帽子を取り合う。
　　　　　大将の赤白帽子も、その他の騎馬の帽子も
　　　　　勝敗を決するにおいて優劣なし。
　　　　　（全て「1点」でカウント。）
　　　　　
　　　　　２回戦目
　　　　　運動場の中央に設けられた土俵（半径３mほどの円）
　　　　　の中での一騎打ち。
　　　　　最後の戦いは、大将戦。
　　　　　大将戦の結果も、その他の騎馬同士の結果も
　　　　　勝敗を決するにおいて優劣なし。
　　　　　（全て「1点」でカウント。）

　今年＞相手チームの大将の帽子を取ったチームが勝利！

…っ！　今年の方がルールがシンプルなのに、なぜ？？

これは、あの勝負を目の当たりにした人でないと分からないかもしれません・・・、
実は、「大将の帽子さえ取ればいい」というだけの制約が
両軍の足を止めていたのです…！
大将を囲んで、赤白にらみ合い☆
こう着状態が、５分、１０分…と続くのですっ！！
まさに、「将棋」の世界！

この騎馬戦、観客への事前のルール説明などなく
いきなり始まり、
「騎馬戦は勇ましく帽子を取り合うもの」という
固定概念を持った者たちにとっては
予想外の展開…！！

１～４年生は、その展開に開いた口がふさがらず
保護者席からは
「そら、どうした？　○○（個人名）、行け～！」
「攻めろー！」「ヤレ、ヤレ～★」などの声が飛ぶ。
今回の形式、大人の人にとっては面白かったのかもしれない。

両軍共に、事前の作戦会議が開かれていただろうか？
どちらかというと、トップから指示が出されない軍隊のよう。
どの騎馬もどう動いてよいか分からずといった感じだ。

運動場に引かれたトラックの線から
外に出ることはできない。
ライン際ギリギリのところに大将が陣取り、
その周りを同軍の仲間たちが守りを固める。

開始１０分ほどしてようやく、お互いのチームの先発隊が
帽子を取り合い始める。
先発隊が派手にやりやっている間に、
大将を倒そうと白組の密使が忍び寄る。

赤組、やはり大将。密使を下す。
それを合図に白組が赤組の塊に攻め込む。
ところが白組、踏ん切りが悪い。
一度に攻め込まず、「保険」を厚く残して
バラバラと攻め込む。攻め手が薄い。

赤の本軍前では、
白１騎ｖｓ赤３騎といったように
勇ましく攻め込んだはずの騎馬が倒されていく。
「飛んで火に入る夏の虫」状態。

白組、優勢だった時はフィールドに
広く陣をはっていたが、
勇猛な騎馬を失った途端、
ラインギリギリにまで布陣を縮小。

一方、赤組は
この時を待っていたかのように
一気に白組に攻め込む。

白組、赤組の猛攻に対抗しようと
前に出る騎馬から１騎ずつやられていき、
ついに、大将の１騎だけとなる。

残るは、大将のみ！
赤組、対象を中心にした数騎の群れが
白組大将を襲う☆

白組大将、逃げる、
逃げ足速いっ！！

ライン際に攻め寄られ、
３方向から同時に攻められる。
前から攻めてくる２者の手を払っている内に
背後から決め手を獲られ…、ゲームセットっ！！

勝組みは、「赤」！






…、と決定したと思っていたのです。
次の言葉を聞くまでは。

「これより、２回戦を始めます。」

はっ？？　これで終わりじゃないの？？

おそらく、他の種目で１０分を越えるものはなかったと思う。
２回戦の開始を告げた時点で
２０分弱経過していたのではないか。

わけのわからない観客にとっては
もっと長い、途方もない時間が経過しているように感じた。

ただ、１回戦目で行われているのを見て、
次の展開はおおよそ見当がつく。
次に白組が勝ったら、
引き分けで終結するのか、
はたまた
第３回戦が行われるのか、
ドキドキしてその様子を見守る。

…そして、第２回戦。白組が勝ったのです。





「第３回戦を始めます。
　それぞれの騎馬、用意っっ！！！」

先生っ！　それでいいのですか？
もう４０分弱も経過しているのに
まだいたいけな子どもたちに
忍耐を強いるのですか？？

馬役をしている３人の子達は
もう、手が痛い、肩が痛いと言っています。

すると、指令台に登壇していた先生から
すかさず一言。

「騎馬が作れないグループは
　その時点で負けね。」

ギャフー――ンっ！！

先生っ！　ついに切り捨てましたね。
あなたはその果てに、
何を求めていらっしゃるのですか？？

…しかし、このルール、
５・６年生にとっては周知のことのはず。
つまり、「そのつもり」ということ。
実際、『騎馬が作れない』と言って、
第３回戦出場を棄権するグループは一つもない。


疲労困憊といった表情の中に
瞳の光は失われていない。
次、勝利を収めた方に軍配が上がる。

ドン、ドン、ドン、ドン、ドン…

フィールドに左右から渦を巻くように入場する両軍。
この瞬間に聞こえるのは、
孤高に響き渡る和太鼓の鼓動のみ。

「始っ！！」

・・・第３回戦、途中経過は省略（笑）。
観客も疲れ果てております(^-^;)

この回に感動を呼んだのは、
ラスト２分。

第１回戦とほぼ同じような展開となり、
残るは白組大将１騎ｖｓ大将含む赤組４騎。

ところが、経験というのは
人を大きく成長させるものらしい。

１騎で残ったのにも関わらず、
諦めずに逃げては立ち向かう。

大将の馬は駿馬だというのは、今までの戦いで見てきた。
その駿馬は、赤組の群れを逃げながら崩していく。

逃げて逃げて１対１になる瞬間を見つけては
立ち止まって相手を倒していく。
その作戦で、ついに
白組の守りを全て剥ぎ取ってしまった。

残りは、大将のみ。
事実上、最後の最後で大将戦となるっ！！



緊張の一瞬、
にらみ合った後、大将同士が
お互いの手をつかみ合う。

その手を振り払っては、
相手の頭上に手を伸ばす。

この勝負、勝利を譲らないという強固な負けん気と
負けることへの恐怖に打ち勝つ度胸がある者が勝つっ！！





そして、帽子がもぎ取られた…！！
もぎ取られた帽子は、高く宙を舞う。
宙を舞ったのは、


赤の帽子である・・・！！

勝利を収めたのは、白組っ☆

１回戦、敗北を喫し、
逆風を感じながらの勝負、
よくここまで心を折らずに立ち向かったものだ！

白組大将の○○くんは、
その瞬間、ヒーローとなった。

ここだけの話、
白組大将は悪ガキの大将のように
名前が轟いていて
僕も知っているほどであった。
しかし、今回の出来事がきっかけで
○○くんへの見方が変わってきたようだ。
５・６年、保護者、そして低学年に至るまで、
「○○くん、かっこよかったね！」
「よくがんばっていたね☆」と認めてくれる。

この「風」が背中を押し、
「悪ガキ」というレッテルから
○○くんは解き放たれようとしているようだ。

今年の運動会、○○くんにとっては
人生のターニングポイントの一つになりそうである。

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